100万回生きたねこ
「100万回生きたねこ」という絵本があります。
『100万回生きたねこ』(ひゃくまんかいいきたねこ)は、1977年に出版された佐野洋子作の絵本です。
私は子供の頃に、母が買ってきたので、読みました。たぶん出版されてからそんなに時間が立ってなかったんじゃないかな。
名作なので、Wikipediaのエントリーにもなっているみたいです。あらすじが書いてある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/100%E4%B8%87%E5%9B%9E%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%81%9F%E3%81%AD%E3%81%93
少し前に、この本を読み返しました。数十年ぶりに。実家に帰った時に、この本を見つけて、というか、探して見つけ出して、家に持って帰りました。
で、読んでみたんですが、子供の頃に読んだときと、随分印象が違って感じられた。ねこがなぜ、生き返らなかったのか、ということを考えるようになり、ひとまず自分なりの答えを出した。
このねこの生き返った100万回の人生(猫生?)は、今の自分の人生に重なる部分がある。自分の意思で生きていないこと。環境がそうだったから、今そういうレールがあったから、それに従ってるということ。それは果たして本当に生きているということか、考えさせられた。絵本では、それは生きているとは言えないと言っていると感じる。つまり、自分は生きていないのだ。息はしているかもしれないけど、生物学的には生きているかもしれないけど、そこに自分の意思がなければ、生きていると言えない。そう言っているように感じられた。
ねこが最後に生き返らなかったのは、ねこが初めて自分の意思で何かをやろうと思い、成し遂げて、人生(猫生)を生きたと言えたからではないだろうか。
そんなことを感じた、数十年ぶりの100万回生きた猫でした。