sasami's diary

日々考えついたことや、メモをしたいことを不定期に書きます。

なぜ、日本企業では労働時間が長くなるのか。(「これは私の仕事ではない」が強く言えない日本の職場-脱社畜ブログ)

「これは私の仕事ではない」が強く言えない日本の職場-脱社畜ブログ

http://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2013/04/24/210130

 

この記事では、日本人の労働時間が長いのは、上司や会社から言われた仕事を自分の仕事ではないと断ることができないから、という理由で説明していたが、それはそうであるが、その下にあること、日本の会社の仕組みについて、もっとよく吟味しないと行けないと思われる。

欧米企業では各自の仕事が明確であり、自分の仕事以外は基本行う必要がないのに、日本ではなぜ仕事が断れないのか。欧米企業では、働く前にジョブディスクリプションで仕事内容を細かく定義して、それに対していくらの賃金にするのかを決める。いわば仕事に対して賃金が支払われる契約であり、ジョブ・ディスクリプションにない業務を依頼することは契約違反となる。もし、ある違った仕事を依頼するならば、ジョブディスクリプションを書き換えて、賃金の交渉もしなければならない。

一方日本企業は、組織に所属することで賃金が支払われる形式であり、仕事がなくても会社は従業員に給料を支払わなければならない。これは、日本の厳しい解雇規制もひとつの原因であると思われるが、仕事での成果よりも、会社に帰属することを日本企業は伝統的に求めているためであると考えられる。よって、従業員は会社から言われた仕事は基本、全て受けなければならないのであり、転勤などの社命は必ず受けなければならい。そもそもどのような仕事をするために雇われているか、明確に決めていないのが日本企業ではないだろうか。というか、このような就業形態=会社の言われたことをなんでもします。という契約で会社に雇用されているのが、日本の従業員だということなのかもしれない。また、一旦雇った社員をなかなかやめさせられないため、仕事がなくなったあとも、なんとか仕事を創りだして、働いてもらうという、へんてこりんな努力を会社側がしなければならない場合がある。それによって、社員は職種転換、新しい技術の習得を会社に言われて行わなければならず、モチベーションが維持するのも難しいだろう。

以上、日本人の労働時間が長いのは、会社での労働の形態が、従業員側も、雇用側も、会社に帰属することに重きを置いているためであり、そこを変えて、仕事に対して賃金が支払われる形式にしないとなかなか変われない/変わらないのではないかと思われる。

あと、欧米企業であっても、一部の基幹業務を行う社員や、幹部候補社員は、基本会社の命令に全て従う雇用形態である者もいて、世界中どこでも必要であれば転勤させられるし、仕事内容も多岐にわたることがあるが、これらの社員の賃金は非常に高く、日本の一般従業員とは比べるに値しないものである。